少女展爛会をやりました
10/27、TRPG少女展爛会のセッションに 参加させてもらいました。
記念として「後から生えてきた前日譚」をでっち上げたので載せておきます。
ヴィオニエ日記
十月某日 晴れ
今日は良い天気だというのに日がな一日部屋に閉じこもり机に向かっていたが、一向に筆はのらず、何の進捗も得られなかった。
無限の想像力を有する天才ならいざ知らず、やはり私程度の似非物書きにとって物語とは自然と頭の中から湧き上がってくるものではないようだ。
次の脚本はまだかと劇団の皆にせっつかれてはいるのだが、こういう時こそインスピレーションを運んでくれるような新鮮な経験が必要なのだ、私はそう考える。
だからやはり、明日はこの館を抜け出してメアリーたちの誘いに乗ろうと思う。皆、どうか許してくれたまえ。と、ここで謝ったところで聞こえはしないが。
日記をここで終わりにするのは少し短すぎるので、明日会うことになる友人たちのことを振り返ってみようと思う。
サリュウ、メアリー、マペペ、そして私。
私たちは普段はそれぞれの居場所を持つ、年頃も所属する集団もばらばらの人間だ。
ひょんなことから知り合って、最初は知り合いの知り合い程度の仲だったのがいつの間にか四人で集まる機会が増え、今や二番目の居場所といってもいいのではないだろうか?少なくとも私にとってはそうだ。
内輪の人間には話しづらいそれぞれの悩み事を打ち明けたり、あるいは自分の成果を誇らしく報告したり。
肩の力を抜いて過ごせる、今やかけがえのない集まりだ。
まずはサリュウの話をしよう。
常識的で物静かだが、時折見せるきっぱりとした物言いに芯の強さが感じられる。
積極的に前に出るような人物ではないが、実のところ彼女が私たちのまとめ役だと思う。
物語の世界を愛し、彼女の薦めてくれる本にははずれがない。
いつだったか感想を語り合いながら湖の畔を散策していたらいつの間にか手を繋いでいたことがあったのだが、あれは一体何だったのだろう。
こうして時折思い出すこともあるが、私たちの友情のため、深くは考えないことにしている。
メアリー……彼女は悩み多き友人だ。
彼女から”相談”を受けているのは、集まりの中ではおそらく私だけだろう。
その内容は個人的かつ込み入ったものなのでここに記すのは止しておく。
彼女の持つ強い熱情は私には持ち得ないもので、その炎を美しいと思う。
思うのだが、その振る舞いを見ていると行く末が少々心配になることもある。
とはいえ私にしなだれかかってくれるのは一向に構わない。
私の好い加減さが彼女を慰めることができるのなら、私は彼女の望むようにありたい。
最後にふわふわ着ぐるみのマペペ。我々のムードメーカーで、神出鬼没の探検家だ。
名高いシッペ探検隊の冒険譚が聞きたくて私から声を掛けたのがはじまりだったような気がするが、今や完全にメアリーやサリュウのほうに懐いている。彼女たちの焼く美味しいお菓子には勝てないということだろうか。
つぎはぎ館から持ち帰ってきたものを私たちに分け与えてくれることもあるが、どうも私にくれるものは実用には適さないというか奇抜すぎるというか、はっきり言ってしまうと、私はからかわれてはいないだろうか。
懐柔の必要性を感じる。
皆のことを考えていたらすっかり夜も更けてしまった。
明日はハロウィーン・パーティの支度をすると聞いている。どんな飾り付けをするのか考えながら眠りにつくとしよう。
どうか明日が刺激に満ちた、素敵な日になりますように。